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テレビ朝日「スーパーJチャンネル」のやらせ問題から学ぶべきこと

ベンチャー広報の野澤です。

今回は、広報担当者が自社のユーザーをマスコミ関係者に紹介するリスクについて書きます。
つい先日、テレビ朝日のニュース番組「スーパーJチャンネル」でやらせが発覚し、大問題になりましたね。

テレビ朝日で問題となったやらせ問題

今年に入ってTBSや日本テレビなどで「やらせ」が問題になりましたが、いずれもバラエティー番組でのこと。今回は「スーパーJチャンネル」という”ニュース・報道番組”でのやらせということで、これは罪の重さが違います。バラエティは多少の演出や誇張は許されますが、ニュース・報道番組では絶対NGですからね。

皆さんも、新聞記者やテレビ番組のディレクターから「御社の商品・サービスの取材だけだと企業の宣伝っぽくなるので、御社のユーザー(お客様)も合わせて取材したい」と言われることありませんか?僕は以前、海外留学の会社で広報をしていた時はよくありました。そんな時は、自社のユーザー(お客様)から取材者からのリクエスト(年齢、性別、渡航先、必要な体験等)に合わせて、適切な取材対象者を探して、テレビ番組のディレクターなどに紹介したものです。その結果、実際にたくさんの報道を獲得することができました。

しかし、時代は変わりました。

この手法(企業の広報担当者が自社のユーザーをマスコミ関係者に紹介する)は、今では「やらせ」と認定されるリスクがあります。

僕が広報をしていた時代(20年くらい前)はゆるかったですが、ここ数年はメディア側のコンプライアンス意識が高まり、以前はOKだったことも、今ではNG=「やらせ」とみなされるようになりました。広報担当者としては慎重な対応が必要です。

この記事の中にこんな一文があります。

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関係者によると、テレ朝は社員や制作スタッフに対し、「チェックしたが分からなかった」と説明しているそうだ。「企画を請け負ったテレビ朝日映像のチーフディレクターとプロデューサー、テレ朝のデスク」らは3回の試写を見ているが、「不適切な演出には気づかなかった」という。

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テレビ局は番組の放送前に、番組内容についてこうしたチェック(試写)を必ず行います。やらせや不適切な演出が行われていないか確認するためです。番組の中で、取材先の企業から紹介されたユーザーが番組に出演していることが発覚し、それが「やらせ」にあたると判断されたらどうなるか。

通常、当該部分(やらせ部分)をカットして編集し直すわけですが、試写というのは放送の数日前に行うので、編集するにしても時間がなく、番組制作現場は大混乱になります。最悪、その回の放送自体が取りやめになることも。

そんな”事件”の原因を作った企業の広報担当者は大罪人です。ブラックリスト入りし、その番組はおろか場合によってはその局から出入り禁止になり、二度と取材されることはなくなるでしょう。

自社取材のメディア対応で広報が配慮すべき点

「御社のユーザー(お客様)も合わせて取材したい」とテレビ番組のディレクターから依頼された場合に、どうふるまうか。

例えば、「スーパーJチャンネル」の特集枠に自社を出そうと思ったら、基本的に自社のユーザー取材は必須ですからね。「やらせになるのでそれはできません」と断るのは簡単ですが、せっかくのテレビ取材が流れます。

企業広報の立場からすると、マスコミへのユーザー紹介について、どこまでアウトで、どこからがセーフなのか。これはテレビ局や番組によっても基準が曖昧なため、大変判断が難しい。報道側が取材先企業のユーザーと接点を持つ手段は色々なパターンがあります。

以下のケース、どれがアウト(やらせ)でどれがセーフか。皆さんならどう判断しますか?ぜひ皆さんのケースに沿って考えてみてください。

・取材を受ける企業の広報が自社のユーザーを番組ディレクターに紹介して取材してもらう 
→アウトORセーフ

・PR会社が身分を隠しクライアントのユーザーとしてテレビ番組の取材を受けて番組に出演する 
→アウトORセーフ

・PR会社が知り合いに頼んでクライアント企業のユーザーとして取材を受けてもらう 
→アウトORセーフ

・広報が自分の個人的な知り合いをユーザーとして番組ディレクターに紹介して取材してもら
→アウトORセーフ

・自社のホームページで取材を受けてくれるユーザーを募集して、応募者を取材対象として紹介する
→アウトORセーフ

・テレビ局が外注しているリサーチ会社が探してきたユーザーを取材する  
→アウトORセーフ

・テレビ番組のADが独自にユーザーを探して取材する  
→アウトORセーフ

 野澤 直人

株式会社ベンチャー広報 代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。 マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、当時無名だった海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ毎年100~140件のマスコミ露出を実現。5年で売上10倍という同社の急成長に貢献する。 2010年に日本では珍しいベンチャー企業・スタートアップ専門のPR会社として株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。講演・講師実績も多数。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

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